家庭菜園での大根の害虫対策について、紹介します。
大根には、さまざまな害虫がつきます。
「キスジミノハムシ」、「アブラムシ」、「センチュウ」などです。
この記事では、大根につくさまざまな害虫の対策について、画像付きでまとめています。
無農薬で育てる方法も載せています。
農家の「てんぞ」が解説します。
大根の害虫対策
大根の害虫対策について、主な害虫ごとに対策を紹介しています。
大根の栽培がうまく出来ますよう、ヒントにしてみてください。
大根の害虫|キスジノミハムシ
キスジノミハムシは、成虫が葉を食べ、幼虫が根を食べます。
成虫は黒色で、黄色の線が2本入っています。体長は2~3㎜です。
幼虫は白色です。土の中で育ちます。
キスジノミハムシの対策
防虫ネットを張ることで、キスジノミハムシが大根につくのを防ぐことができます。
キスジノミハムシは小さいので、目の細かい防虫ネットがよいです。
光の反射が苦手なので、銀線入りの防虫ネットが有効です。
シルバーマルチも効果があります。
雑草につくので、雑草を定期的に刈るようにしてください。
アブラナ科の野菜に発生するので、前作がアブラナ科の野菜の場所では、栽培しないほうがよいです。
大根の害虫|アブラムシ
アブラムシは大根の汁を吸収して、養分を吸い取ります。
アブラムシが大根につくと、養分がなくなり、葉が縮んでしまいます。
また、アブラムシはモザイク病などの病気の感染源になります。
大根につくアブラムシは、白色、黄緑色、赤色などをしています。
体調は2mmほどと、小さいです。
葉の裏につきやすいです。
アブラムシは一年中発生して、繁殖しやすいです。
ただ、冬はあまり発生しません。
アブラムシの対策
アブラムシは小さいので、目の細かい防虫ネットを張ると、大根につきづらくなります。
光の反射に弱いので、銀線入りの防虫ネットを張るとよいです。
他にも、シルバーマルチも有効です。
アブラムシを見つけたら、捕まえるようにしましょう。
ただ、アブラムシは小さく、大量に発生するので、一匹ずつ手で捕まえるのは大変です。
粘着テープを使うと、簡単に捕まえることができます。
アブラムシには、「牛乳スプレー」が有効です。
牛乳スプレーをかけて一日待つと、アブラムシは窒息死します。
牛乳スプレーの作り方は簡単で、牛乳をスプレー容器に入れるだけです。
他にも、アブラムシを窒息させるものには、ソフト農薬の「粘着くん」があります。
でんぷんで作られているので、安全です。
アブラムシに有効な農薬は、「ベニカマイルドスプレー」、「ベニカAスプレー」、「オルトラン粒剤」などです。
大根の害虫|センチュウ
センチュウは、大根の根につく害虫です。
センチュウがつくと、大根に白い斑点ができます。
被害が大きくなると、黒くなっていきます。
センチュウは、根が短くなる、根が割れる、などの症状を引き起こします。
化学肥料が多いと増えやすいです。
また、連作すると発生しやすくなります。
センチュウの対策
センチュウは、栽培後には農薬でも対処が難しい害虫です。
センチュウの対策には、栽培前の土壌消毒が有効です。
土壌消毒のやり方は、夏の暑い時期に畑に透明のビニールを張ります。
太陽の熱で、土を消毒します。
ビニールを張る前に、水まきをするとより効果的です。
マリーゴールドには、センチュウの発生を抑える効果があると言われています。
大根の害虫|カブラハバチ
カブラハバチは、蜂の幼虫です。
大根の葉を食べます。
葉を食べられると、光合成ができなくなり、大根の生育が悪くなります。
体長は1~2㎝くらいで、黒い色をしています。
春から秋にかけて発生します。
夏にはあまり増えません。
カブラハバチの対策
防虫ネットを張ることで、成虫の飛来を防ぎ、卵を産み付けられなくなります。
大根の害虫|コナガ
コナガは、蛾の幼虫です。
アブラナ科の野菜を好み、大根の葉を食べます。
葉の皮以外を食べるので、コナガが食べた葉は薄く白くなります。
体長は1㎝ほどです。
春から冬の初めまで発生します。
葉の裏にいることが多いです。
コナガの対策
防虫ネットを張ることで、成虫の侵入を防止して、卵の産み付けを減らすことができます。
コナガに有効な農薬は、「ベニカAスプレー」、「オルトラン粒剤」などです。
大根の害虫|ネキリムシ
ネキリムシは、大根の株元の葉や茎を食べます。
被害にあった葉や茎は、切り取られて枯れてしまいます。
特に、生育初期の株が食べられやすいです。
ネキリムシは体長4㎝くらいです。
色は、白色、暗褐色などです。
春から秋にかけて発生します。
ネキリムシは夜間に活動して、昼は土の中にいます。
ネキリムシの対策
防虫ネットを張ると、成虫の飛来を防ぎ、卵を産み付けられなくなります。
成虫は大根だけでなく、近くに生えている雑草にも卵を産むので、こまめに雑草を刈るようにしましょう。
ネキリムシは昼には土の中にいるので、昼間に土を掘り返すと出てきます。
株の付近、土の浅い部分に多くいます。
誘引殺虫剤の「ネキリベイト」が有効です。
大根の害虫|ヨトウムシ
ヨトウムシは、大根の葉を食べます。
被害が進むと、葉脈を残して全て食べられてしまいます。
成長した幼虫で体長4㎝くらいです。
小さい頃は緑色で、大きくなると茶色になります。
成虫が葉の裏に白い卵を産みます。
ヨトウムシの小さい幼虫は、葉の裏にいることが多いです。
ヨトウムシは夜行性なので、夜間に葉を食べます。
夜に葉が食害されていたら、ヨトウムシの可能性があります。
昼間は土の中にいます。
ヨトウムシの対策
防虫ネットを張ると、成虫が卵を産み付けるのを防ぐことができます。
ヨトウムシの卵は葉の裏に産み付けられるので、葉の裏を定期的に確認するようにしましょう。
夜行性で、昼間は土の中にいます。
昼に土の中を掘り返すと、ヨトウムシが出てきます。
また、夜に活動するので、夜に大根を確認しに行くと、ヨトウムシを捕まえられます。
ヨトウムシに有効な農薬には、「ベニカAスプレー」があります。
大根の害虫|ダイコンハムシ
ダイコンハムシは、幼虫は褐色で、成虫は緑色をしています。
幼虫、成虫ともに大根の葉を食べます。
ダイコンハムシは、葉にふんをつけます。
ふんがつくと、光合成ができなくなります。
ダイコンハムシの対策
防虫ネットを張ることで、ダイコンハムシの侵入を防ぐことができます。
雑草に住みつくので、雑草をこまめに刈るようにしましょう。
ダイコンハムシに使える農薬は、「ベニカAスプレー」です。
大根の害虫|無農薬で育てるには?
大根などのアブラナ科の野菜は、害虫がつきやすいです。
無農薬で育てるには、農薬以外の害虫対策をすることが必要です。
無農薬の害虫対策の方法は、いくつかあります。
無農薬の害虫対策
・防虫ネット
・不織布のべたがけ
・見つけて捕まえる
・肥料を少なくする
・寒い時期に栽培する
無農薬で大根の害虫対策|防虫ネット
防虫ネットを張ると、害虫の侵入を防ぐことができます。
また、成虫(蛾や蝶など)が飛来して、卵を産み付けるのを阻止できます。
防虫ネットは、害虫が増える前に張るようにしましょう。
害虫が増えてしまった後だと、虫かご状態になるので、効果がなくなります。
防虫ネットの下には、隙間をあけないようにしてください。
下に隙間が空いていると、その隙間から虫が侵入してきます。
土を被せたり、おもし(水を入れたペットボトルなど)を置いたりするとよいです。
また、風で飛ばないように、支柱にネットを留めるようにしましょう。
無農薬で大根の害虫対策|不織布のべたがけ
種まきした後に不織布をべたがけすると、害虫の侵入を防げます。
また、不織布のべたがけには、大根の種が発芽するための水分を保ってくれる効果もあります。
不織布は、大根の発芽がそろったら、外してください。
発芽後に湿度が高いと、大根が徒長します。
不織布を外した後は、防虫ネットを張るなどしましょう。
無農薬で大根の害虫対策|見つけて捕まえる
1週間に1回くらい定期的に見回りをして、害虫を見つけたら捕まえてください。
地道な作業ですが、それだけでもある程度の害虫対策になります。
大きな害虫は割りばし、小さな害虫は粘着テープを使うと、捕まえやすいです。
無農薬で大根の害虫対策|肥料を少なくする
肥料を少なくすることで、害虫も少なくなります。
大根は肥料が少なくても育つので、肥料のやりすぎには気をつけましょう。
無農薬で大根の害虫対策|寒い時期に栽培する
寒い時期は害虫が少ないので、無農薬でも育てやすいです。
大根の場合は、春より秋に育てるほうが害虫の被害は減ります。
大根の害虫|まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
大根の害虫について、紹介しました。
大根の害虫対策のポイント
・防虫ネットで侵入を防ぐ
・キスジノミハムシ対策には、目の細かい防虫ネットを使う
・害虫を見つけたら捕まえる
害虫対策がうまくいけば、大根の生育がよくなります。
ぜひ、がんばってみてください。
関連記事一覧
- 根の部分を食べる野菜
- 大根の育て方のまとめ|現役農家が解説
- 大根の種類一覧|人気の品種・おすすめの種類・小さい種類など
- 大根の種:選び方から育て方まで徹底ガイド
- 大根の肥料のやりすぎに注意!おすすめは鶏糞?|肥料不足も注意
- 大根の種まき方法|間隔や深さ、水やり
- 大根の種まきの時期|春が適期・現役農家が解説
- 大根の種まきを10月にする理由|品種や地域によって違う
- 大根種まきの遅れに困ったら?時期別・地域別の対処法まとめ
- 大根の病気の種類一覧と対策|葉っぱに黒い点がある時はどうする
- 大根の間引きのやり方|現役農家が失敗しないコツを紹介
- 大根の間引き時期ガイド:美味しく育てるためのタイミング
- 大根の収穫時期は?目安は?現役農家が解説
- 冬大根の収穫時期|遅れると?いつまで?霜が降りたらどうなる?
- 大根の収穫:コツから保存方法まで完全ガイド
- 大根がす入りするとは?原因は?食べられる?|見分け方も紹介
- 大根の害虫対策|キスジノミハムシ、アブラムシ、センチュウなど*当記事
- 大根栽培で失敗する原因と対策|害虫、肌荒れ、奇形、短いなど
- かいわれ大根の育て方:初心者向け完全ガイド
- 聖護院大根の栽培と収穫:秋から冬に美味しい大根を育てよう