家庭菜園初心者でもできる、畑でのじゃがいもの栽培について紹介します。
植えつけから収穫まで、土作り、肥料、水やりの頻度など栽培のコツも。
栽培のやり方さえわかれば、誰でも簡単、楽においしいジャガイモが作れます。
現役農家の「てんぞ」が解説します。
じゃがいもはナス科の野菜|でんぷんが豊富
ジャガイモはナス科の野菜です。
スーパーで売っているじゃがいもは、茎(地下茎)が肥大したものです。
じゃがいもはでんぷんが豊富で、栄養のある野菜です。
煮つめて肉じゃがにしたり、ゆでて粉ふきいもやジャガバターで食べるとおいしいです。
ジャガイモには、袋で育てる方法もあります。
じゃがいもの栽培方法・畑|栽培時期は初心者には春がおすすめ
畑で栽培するジャガイモは、春と秋に植える育て方があります。
栽培時期|春
植えつけ:3月~4月上旬/収穫:6月
栽培時期|秋
植えつけ:8月下旬~9月中旬/収穫:12月
※栽培時期は、品種、地域によって違いがあるので気をつけてください。
ジャガイモの生育適温は10~25℃と、涼しい気候を好みます。
ただ、寒さには弱く、平均気温が10℃を超えた時期が植えつけに適しています。
春のほうが涼しいので、初めてジャガイモを育てる方は春のほうが栽培しやすいです。
じゃがいもの栽培方法・畑|種の準備
ジャガイモの種は食用のものより市販の種を使うといいです。
食用のジャガイモは、ウイルスの病気にかかりやすいです。
種が40~50g以上だと収量があまり変わらないため、80g以上の種は半分に切って植えるとお得です。
ジャガイモの種の切り方は、頂芽部(種のてっぺんの芽がたくさん出てる所)を軸にして、縦に切断します。
横に切ると、繊維を切ってしまい、水分と養分がなくなります。
なるべく芽の数が均等になるように切りましょう。
切った種は、日陰に2~3日乾かすか、切断面に草木灰をつけます。
切ってすぐに畑に植えると、病気にかかりやすくなり、腐りやすいです。
じゃがいもの栽培方法|畑の土作り・植えつけ
ジャガイモの土作りと植えつけは、同時に行います。
畑の土作り〜植えつけ
ジャガイモは、日当たり、水はけのよい場所で育てます。
ジャガイモには連作障害があるので、2~3年はナス科の野菜を植えてない所で栽培したほうがいいです。
ジャガイモは根を深く張るので、植えつける畑を深さ20~30cmまでよく耕して、土を柔らかくしましょう。
耕したら、深さ10cmの溝を作ります。
その溝に、ジャガイモの種を30cm間隔で植えつけましょう。
切った種を植える場合は、切断面を下にして植えると芽が出やすいです。
畑に肥料をまく
ジャガイモの種と種の間に、たい肥と肥料を置くようにまきます。
肥料をまいたら、溝に土を被せます。
土を被せすぎると、芽が出なくなるので、掘った溝の分だけ(10cm)被せればいいです。
植えつけの時点では畝を立てる必要はなく、後の土寄せでだんだんと畝を立てていきます。
芽が出るまでは、土が乾燥していたら軽く水やりをしてください。
肥料の種類
ジャガイモの肥料はチッソを控えめにして、カリウムを多めにするといいです。
カリウムを多くすることで、根や茎の生育がよくなります。
チッソが多いと、葉が繁茂して、根や茎が育ちづらくなります。
カリウムを多く含む肥料には、有機肥料だと草木灰、化学肥料だと硫酸カリなどがあります。
また、化成肥料にはチッソ:リン酸:カリウム=3:10:10のものがあります。
それらの肥料がない場合は、ジャガイモ専用の肥料を用意するのが楽です。
ジャガイモの生育に合う土壌酸度は、ph=5.5~6.0です。
ジャガイモはアルカリよりの土壌だと、そうか病にかかりやすくなるので、石灰の量は控えめにしてphを上げないほうがいいです。
じゃがいもの栽培方法|水やりは控えめにする
ジャガイモは水やりを頻繁にする必要はありません。
乾燥気味に育てたほうがよく、水やりをしすぎると腐りやすくなります。
晴天が長く続いて葉がしおれるほど乾燥したら、水やりをすれば十分です。
袋やプランター栽培の場合は、土がかなり乾燥していたら、軽く水やりをしましょう。
畑に植えた場合は、基本的に水やりは必要ありません。
じゃがいもの栽培方法|芽かき・土寄せ・追肥
じゃがいもの栽培方法|芽かき
芽かきとは、畑の地表に出ているジャガイモの芽を間引くことです。
芽かきをせずに、葉が繁茂すると、ジャガイモの玉が大きくなりません。
なので、芽を2~4本に間引きます。
芽かきは、芽が10cmくらいのときに行います。
芽はそのまま引き抜いても、ハサミで根元を切っても、どちらでも大丈夫です。
残す芽が少ないほど大きいイモができ、芽が多いほどイモの数が増えます。
残す芽の本数は、お好みでいいかと思います。
ジャガイモの栽培方法|土寄せ
芽かきをすると、葉の本数が減ることでぐらつきやすくなるので、畑の土寄せを行います。
ジャガイモの玉は、畑の地表に出ていると緑化します。
緑化した部分はソラニンという毒素で、食べられなくなります。
土寄せをすることでジャガイモの緑化を防ぐことができます。
ジャガイモの玉は植えた種より畑の地表付近にできるため、ほっておくと地表に出てきてしまいます。
なので、土寄せをして、イモが地表に出ないようにします。
じゃがいもの栽培方法|追肥
生育が悪い場合は、土寄せと同時に追肥を行います。
土寄せをする前に、畝の脇に肥料をまいてください。
じゃがいもの栽培方法・畑|収穫は畑が乾燥している時がいい
ジャガイモの葉が黄色くなり、枯れてきたら収穫時期です。
スコップで土を掘り起こして収穫しましょう。
地中のジャガイモを傷つけないように、芽から20cmくらい離れた所から掘り起こすといいです。
雨で畑に水分の多いときに収穫すると、ジャガイモが腐りやすいです。
また、重労働になります。
晴天でよく土の乾いた時に収穫するのが適しています。
収穫した後のジャガイモは、冷暗所で通気性のいい場所で保存すると、長く持ちます。
じゃがいもの栽培方法|病気・害虫
ジャガイモの栽培方法では、病気対策と害虫対策も考える必要があります。
栽培の状態によっては、病気にもなりやすいです。
また害虫については、早めの対策が必要です。
病気
アルカリよりの土壌(ph=7.0以上)だと、そうか病にかかりやすいです。
苦土石灰などの肥料の量は控えめにして、phを上げないようにしましょう。
ジャガイモは多湿状態だと、疫病、軟腐病などの病気になりやすいです。
畑の水はけが悪い場合は、密植を避ける、高畝にする、たい肥を施す、水やりを控えるなどして通気性、排水性をよくするといいです。
害虫
ジャガイモ栽培で気をつける害虫は、アブラムシ、テントウムシダマシ、ヨトウムシなどです。
見つけた段階で、早めに捕殺して増やさないことが大切です。
アブラムシは、銀線を張ることで被害を減らすことができます。
家庭菜園の有機栽培についてもっと知りたい、という方にはオンラインスクールもおすすめです。
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