さつまいものつる返しの方法と時期を紹介|不要な品種もある?

家庭菜園でのさつまいものつる返しについて、紹介しています。

「時期」や「方法」、「不要かどうか?」などのつる返しのポイントをまとめています。

農家の「てんぞ」が解説します。

目次

さつまいものつる返しとは

さつまいものつるは成長すると、畝(うね)を飛び出してそこら中に伸びていきます。

「つる返し」とは、伸びたつるを畝の株元のほうに戻す作業です。

つる返しをすることで、さつまいもの生育がよくなります。

さつまいものつる返しとは|芋の生育に悪い影響を与える不定根を切ること

伸びたつるは、土に根っこを張ります。

この根っこのことを、「不定根」といいます。

不定根はさつまいもの生育に悪い影響を与えるので、つる返しすることで不定根を切ってしまいます。

不定根ができると、さつまいもの生育に以下のような悪い影響がでます。

・株元の芋に養分がいかなくなる

・つるボケする

不定根にも芋ができますが、食べられる大きさにはなりません。

不定根に芋ができることで、株元の芋にいくはずだった養分を不定根の芋に奪われてしまいます。

その結果、株元の芋が大きくならないです。

つるに不定根ができると、その不定根から養分を得たつるは、さらに伸びていきます。

つるばかりが成長する状態を、「つるボケ」といいます。

つるボケすると、芋に栄養がいかなくなります。

他にも、つる返しをすると、畝の間の雑草の処理がしやすくなります。

伸びたつるの間から生えた雑草を刈るのは、なかなか大変な作業です。

つる返しをしてつるをどかせば、雑草が取りやすくなります。

さつまいものつる返しの時期は夏から秋

さつまいものつる返しの時期は、夏から秋にかけてです。

気温の高い時期はつるが特に成長するので、つる返しが必要になります。

つる返しは、つるが伸びてきたら行います。

苗の植え付けから1~2カ月後になると、つるが伸びてきます。

つるが畝を飛び出して、畑のそこら中に這ってきたら、つる返しをしましょう。

さつまいものつる返しの方法は、つるをつかんでひっくり返す

さつまいものつる返しの方法は、畝の外に伸びたつるの根っこを抜きながら、畝の株元のほうに向けてひっくり返します。

畝にマルチを張っている場合は、マルチの上につるを乗せればよいです。

ひっくり返すときに、つるが切れないように注意してください。

つるの根元の部分ではなく、先っぽのほうをつかむと、うまくいきやすいです。

さつまいものつる返しの回数は、1回だけではなく定期的にやる

つる返しをしても、つるはまた元に戻ります。

つる返しは1回だけすればよいわけではなく、定期的に何回か行います。

プランターのさつまいものつる返し

プランターの場合、周りが土の地面でなければ、つる返しをする必要はありません。

プランターの外につるが伸びても、不定根が生えることがないからです。

つる返しするのが面倒なら、プランターは庭ではなく、地面が土ではない場所(ベランダなど)に置くとよいです。

さつまいものつる返しでつるを切るのはよくない

さつまいものつるは、なるべく切らないほうがよいです。

さつまいもはつるに生えている葉が光合成をして、芋の栄養(でんぷん)を作るからです。

もし周りの野菜につるがかかったりして邪魔になるようでしたら、つる返しをするようにしてください。

つる返しのときに、少しくらいならつるが切れてしまっても大丈夫です。

つるはまたすぐに伸びてきます。

さつまいものつる返しは不要?品種によってはしなくていい

品種改良のおかげで、最近はつる返しが必要ない品種が多くなっています。

つる返しが不要な品種は、不定根がつかない、つるがあまり成長しないものなどです。

また、不定根にいもができづらい品種もあります。

つる返しが面倒だと思う方は、つる返しが不要な品種を選ぶとよいです。

栽培方法を工夫することで、つる返しの労力を減らすことができます。

さつまいものつるは、窒素肥料が多いとつるが成長しやすいです。

なので、窒素肥料を少なめにすれば、つるボケしないので、つる返しをする作業が楽になります。

元々さつまいもは肥料が少ないほうがよく育つので、窒素肥料は少なくても大丈夫です。

マルチ栽培をすると、つる返しをしなくても芋が育ちやすくなります。

マルチを張ると、不定根ができづらくなるからです。

つる返しをすることで、株を傷める可能性もあります。

なので、つる返しがあまり必要でない場合では、しないほうが生育によいこともあります。

ただ、つる返しをしないと、「つるボケしやすくなる」、「雑草の処理が大変になる」、などのデメリットがあります。

さつまいものつる返し|まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

さつまいものつる返しについて、紹介しました。

さつまいものつる返しのポイントは、以下のものです。

・つる返しで不定根を切る

・時期は夏から秋にかけて、定期的に行う

・つるの先っぽをつかんで、株元のほうにひっくり返す

・品種改良で、つる返しが不要な品種が多くなった

さつまいものつる返しをすることで、さつまいもの生育がよくなります。

ぜひ、がんばってみてください。

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