レタスの水耕栽培は室内でも簡単|栽培キットもある|肥料は液体肥料

家庭菜園でのレタスの水耕栽培について、紹介します。

水耕栽培なら、レタスを室内で育てられます。

室内だと虫が付きづらいので、無農薬で栽培できます。

様々な水耕栽培キットがあります。

小型~大型のもの、ledや便利な機能が付いたものなどが売っています。

栽培日数は、2か月くらいです。

ベビーリーフなら、30~40日で収穫できます。

肥料は液体肥料がおすすめです。

有機より、化成の肥料がよいです。

農家の「てんぞ」が解説します。

目次

レタスの水耕栽培キットには、小型~大型、led付きのものがある

レタス 水耕栽培

レタスの水耕栽培には、専用の栽培キットがあります。

栽培キットは、様々なものが売っています。

小さいものから大きいもの、led付きのものや栽培に便利な機能付きのものもあるので、お好みのキットを選んでみてください。

レタスの水耕栽培キットには、いろいろな大きさのものがあります。

1株だけ育てられる小型のものから、100株を同時に栽培できる大型サイズなどです。

小型の栽培キットの大きさはペットボトルや小鉢くらいになります。

大型だと、幅100cm、高さ100cmくらいで、栽培の容器が何段にもなっています。

たくさん栽培できるのでよいですが、大型のものは管理が難しいです。

水耕栽培初心者の方は、小型か中型の栽培キットが育てやすくて、おすすめです。

栽培キットには、便利な機能があるものがあります。

エアーポンプ付きは、水に酸素を供給してくれます。

水位フロート機能があると、給水のタイミングを教えてもらえます。

温度、湿度、水位、明るさなどをスマホで栽培管理できるものもあります。

機能付きの栽培キットを選ぶと、育てるのが簡単になります。

栽培キットには栽培容器だけでなく、種や液体肥料、育苗用のスポンジが一緒になっているものがあります。

別々に買う必要がないので、便利です。

led付きの栽培キットは日光がいらないので、置き場所に困らない

ledが付いている栽培キットだと、ledの明かりでレタスを育てられます。

窓際などの日の当たる場所に栽培キットを置かなくても、ledの明かりがあれば大丈夫です。

led付きの栽培キットは値段が少し高くなり、2~3万円くらいします。

ledがない栽培キットは、2~3千円です。

千円以下で売っている、ミニサイズの栽培キットもあります。

ledは電気代が少しかかります。

月々の電気代は130~200円程度です。

レタスは光が足りないと、徒長しやすいです。

発芽後は、しっかりとledの光を当てましょう。

ledの明かりの調整が面倒な場合は、成長段階に応じて光の強さを調整する栽培キットがよいです。

発芽までは暗く、その後は明るくなります。

世話しなくても育つので、楽です。

夜間でも、ledのライトがつく場合があります。

寝室に置くと明かりで眠れなくなるかもしれないので、注意してください。

ledの栽培キットは高いので、自作して安く済ませることができます。

野菜用のled電球が売っていますし、ledのライトスタンドや蛍光灯でも代用できます。

水耕栽培レタスの栽培日数は、2か月くらい

水耕栽培のレタスは、50~70日で収穫になります。

気温によって収穫までの日数は違います。

気温が高い時期は、50日での収穫です。

寒い時期だと、70~80日ほどかかります。

ベビーリーフは、30日くらいで食べられます。

水耕栽培で育てるレタスの種類は、リーフレタスがおすすめ

水耕栽培で育てやすいレタスの種類は、リーフレタス(サニーレタス)です。

リーフレタスは生育初期が安定していて、水耕栽培向きです。

水耕栽培で、ベビーリーフを育てることもできます。

中原採種場の「ハイドロレタスシリーズ」は、水耕栽培で人気のあるリーフレタスの品種です。

他にも、タキイの「マザーグリーン」が育てやすいです。

玉レタスは水耕栽培だと難しい

玉レタスは、水耕栽培では結球させるのが難しいです。

水耕栽培の植物工場でも、リーフレタス(非結球レタス)の栽培がほとんどです。

ただ、水耕栽培でも小さめの玉レタスなら育てられるかもしれません。

玉レタスの収穫までの日数はリーフレタスより長く、70~80日くらいです。

玉レタスを水耕栽培で育てるには、温度、置き場所などの環境が大事になります。

温度は15~20℃が生育適温です。

高温だと、レタスはうまく育ちません。

ledがあると、栽培しやすいです。

水耕栽培レタスの肥料は、液体肥料がよい

水耕栽培の肥料は、液体肥料です。

液体肥料には有機肥料と化成肥料がありますが、水耕栽培には化成肥料が向いています。

有機の液体肥料は、腐りやすいです。

液体肥料で、レタスの成長に必要な栄養素を補います。

三要素(窒素、リン酸、カリウム)だけでなく、中量要素や微量要素も含まれている液体肥料がよいです。

土耕栽培では中量要素、微量要素は土に存在するので肥料として与えなくてもよい場合もありますが、水耕栽培では与える必要があります。

液体肥料の種類には、ハイポニカ、ハイポネックスがあります。

使い方は、水に液体肥料を加えて、栽培容器に入れます。

おすすめの液体肥料|「微粉ハイポネックス」

ハイポネックスは肥料のバランスがよく、使いやすいです。

15種類の栄養成分が入っています。

ハイポネックスには液体タイプと粉末タイプがあります。

水耕栽培では、粉末タイプの「微粉ハイポネックス」が適しています。

粉末タイプにはカリウムが多く含まれているので、根が育ち、立派なレタスになります。

使用量は、水2lに粉末を2g混ぜます。

とても安上がりです。

おすすめの液体肥料|「ハイポニカ」

ハイポニカは、液体タイプの液体肥料です。

液体肥料を薄める配分が同じでよく、レタスの成長に合わせて変える必要がないので、使いやすいです。

500倍に水で薄めて使用してください。

余ったハイポニカは、土耕栽培にも使えます。

液体肥料の使い方、注意点

液体肥料は、1~2週間に1回交換してください。

適切な量を施すことが大事です。

使用する液体肥料のラベルに書いてある使用量を守るようにしましょう。

水耕栽培だとレタスに虫が付きにくい

土耕栽培と比べて、室内で育てる水耕栽培は虫が付きづらいです。

土耕栽培だと土の中で虫が繁殖したり、外から飛来して卵を産んだりしますが、水耕栽培ではその心配はあまりありません。

水耕栽培でも、ベランダなど屋外に置いていると、虫が付きやすくなります。

屋外で育てるなら、支柱付きの防虫ネットを使うと、虫の飛来を防げます。

レタスは害虫被害が少ない野菜です。

農薬を使わなくても、虫を見つけたら駆除すればよい場合が多いです。

ただ、レタスの水耕栽培は虫が付きづらい代わりに外敵も少ないので、一度虫が付くと害虫が繁殖しやすくなります。

なので、虫がいないかをこまめに確認しましょう。

レタスの葉に虫食いの跡があったら、虫が付いている可能性があります。

葉の裏に虫がいることがあるので、注意してください。

ガムテープを葉に押し付けて虫をくっつけると、簡単に駆除できます。

害虫被害にあった葉は、気になるようなら取り除いてください。

レタスに付きやすい虫は、アブラムシ、ナメクジ、アオムシ、ハモグリバエ、コナジラミ、アザミウマなどです。

アブラムシやナメクジは光るものを避けるので、アルミホイルや銀線入りの防虫ネットを使うとよいです。

農薬で害虫防除するなら、ベニカスプレーが使いやすいです。

レタスの水耕と土耕には、どのような違いがあるか

水耕栽培と土耕栽培では、いくつか違いがあります。

違うのは、栽培場所や栽培期間、農薬の必要性などです。

水耕栽培は、主に室内で育てますが、土耕栽培は外(露地など)です。

野菜が育つスピードは、水耕栽培のほうが早いといわれています。

水耕栽培は土耕栽培より病害虫被害が少ないので、無農薬でも育てやすいです。

水耕栽培と土耕栽培では、味や見た目、栄養成分に違いが出ることもあります。

土耕栽培とは

土から水、栄養、酸素を吸収します。

野菜は土に根を伸ばして、自立します。

水耕栽培とは

水から水分、栄養を吸収します。

酸素は、空気から取り込みます。

容器で野菜を固定する必要があります。

土耕栽培の特徴

土耕栽培のメリット・デメリットを確認しましょう。

土耕栽培の良い点

・味が濃い

・露地ならほったらかしでも育つ(プランターは水やりが必要)

・栽培のノウハウがある(様々な育て方がある)

土耕栽培の悪い点

・病害虫被害が多い

・生育が天候に左右されやすい

・雑草の処理が必要

・栽培場所(畑)が必要

・栽培後の土の処分

水耕栽培の特徴

水耕栽培についても、メリット・デメリットを確認しましょう。

水耕栽培の良い点

・生育が早い

・病害虫被害が少ない

・農薬がなくてもうまく育ちやすい

・室内の省スペースで栽培できる

・連作障害がない

水耕栽培の悪い点

・初期費用が高い(栽培キットなど)

・水をこまめに変える必要がある

・藻ができる(遮光すると防げる)

・ledが無い場合、日当たりのよい場所を探して置かないといけない

冬でも水耕栽培ならレタスを育てられる

冬でも、室内の水耕栽培なら、レタスを育てられます。

レタスの生育適温は20℃程度なので、暖房をつけると育ちが良くなります。

また、冬は日光が弱いので、置き場所は日当たりのよい場所を選びましょう。

気温が低いため、収穫までは時間がかかります。

冬で寒い分、ledの熱による葉焼けは起こりづらくなります。

水温が低いと、レタスの育ちが悪くなります。

種の発芽率も下がります。

水温が低くならないように、栽培容器の下に保温シートなどを敷く栽培方法があります。

ただ、水温が熱くなりすぎないように気をつけましょう。

レタスを冬どりしたい場合は、秋の10月に種まきしてください。

そうすると、冬にレタスを収穫できます。

家庭菜園での水耕栽培レタスの栽培方法

自分で作った栽培容器での、水耕栽培のレタスの育て方を紹介します。

自作の水耕栽培で用意するもの

・栽培容器(タッパー、ペットボトルなど)

・スポンジ

・液体肥料

・種(リーフレタス)

・アルミシート、アルミホイル、ペットボトルカバー

栽培キットで育てる場合は、いりません。

水耕栽培レタスの種まき

水耕栽培での種まきの手順を紹介します。

まず、種をまくスポンジを2~3cmの正方形に切ります。

スポンジの表面に十字の切り込みを入れてください。

スポンジにたっぷりと水を含ませます。

スポンジを押して空気を抜きながら、水を入れてください。

タッパーの栽培容器の中に、スポンジを並べます。

上下左右に間隔を少し開けて、スポンジを並べるとよいです。

猫除けマットをタッパーの底に敷いてスポンジをはめると、スポンジが水で流れづらくなります。

タッパーに水を入れます。

水の量は、スポンジが半分沈むくらいの量にしましょう。

スポンジが完全に沈むほど水を入れてしまうと、種が流れてしまいます。

スポンジの切り込みに、種をまきます。

一か所に、2粒ほどまいてください。

タッパーを日の当たる場所に置いてください。

ただ、日差しが強すぎる場所はよくないです。

だいたい、4日くらいで発芽します。

1週間たっても発芽しないなら、種をまき直したほうがよいです。

用意するスポンジ

用意するスポンジは、食器洗い用などのスポンジがよいです。

柔らかいスポンジが適しています。

レタスが発芽したら、大きめのタッパー、ペットボトルに苗を移植する

レタスが発芽して本葉1~2枚になったら、大きめのタッパーやペットボトルに苗を移植します。

この時に、2本育っていたら、1本に間引きしてください。

タッパーにレタス苗を移植する

タッパーの蓋に、細長い穴をあけます。

あけた穴にスポンジをはめてください。

タッパーに液体肥料を入れます。

水の量は、レタスの根が全部浸からない程度にしてください。

根が空気から酸素を吸収できるように、空気の層を作ることが大事です。

タッパーの表面に、アルミホイルを貼ります。

液体肥料に日が当たると、藻(アオコ)が生えてしまうためです。

1~2週間ごとに、液体肥料を入れ替えてください。

新鮮でないと、根腐れを起こしたり、栄養が吸収できなかったりします。

ペットボトルにレタス苗を移植する

500mlのペットボトルを用意します。

ペットボトルの上から1/3をカットしてください。

カットした飲み口の部分を逆さにして、残ったペットボトルにはめましょう。

飲み口の部分に、レタス苗のスポンジを押し入れます。

ペットボトルに液体肥料を入れてください。

根に酸素を届けるために、ペットボトルが一杯になるまで液体肥料を入れないでください。

根が液体肥料に届くくらいの量を入れて、肥料と苗をはめた飲み口の部分に隙間ができるようにしましょう。

ペットボトルの周りには、アルミホイルやペットボトルカバーをつけます。

液体肥料に日が当たって、藻が生えないようにするためです。

また、根に直接日光が当たると、レタスの生育によくないです。

ペットボトルは、日当たりのよい場所に置いてください。

自分で作るのが手間な場合は、ペットボトル型の栽培キットが市販されています。

レタスの収穫

リーフレタスは、50日くらいから収穫できます。

ベビーリーフなら、30~40日ほどでの収穫になります。

外葉から、順次収穫してください。

ハサミで、葉の根元から切りましょう。

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