家庭菜園でのさつまいもの土作りで石灰について、このような疑問を持つ方もいるかと思います。
「石灰をまく必要はある?」
「量はどれくらい?」
「苦土石灰や有機石灰があるけど、どれがいいの?」
今回の記事は、サツマイモに石灰をまく目的や必要かどうかを紹介しています。
また、石灰のまき方や種類についても載せています。
石灰の使い方がわかれば、家庭菜園でも立派なさつまいもが育てられます。
農家の「てんぞ」が解説します。
さつまいもの土作りに石灰をまく意味、目的
家庭菜園で石灰をまく目的は、主に2つあります。
・土を中和する(土の酸度を上げる)
・土にカルシウムを補給する
石灰をまいて土の酸度(pH)を調整することで、野菜の生育に合った状態にします。
目安として、150~250g/㎡の量の苦土石灰を土に施すとpHが1上がります。
ただ、効果は土の種類によって違うので、気をつけてください。
カルシウムは、野菜が育つのに必要な成分です。
石灰には、カルシウムを土に与える効果があります。
さつまいもに石灰は必要?土が酸性のほうが良く育つ
さつまいもは、石灰をそれほど必要としません。
土が酸性のほうが、さつまいもはよく育ちます。
さつまいもの生育に適した土壌酸度は、pH5.5~6.0です。
pHが6.0より高くなると、病気(立枯病など)にかかりやすくなります。
なので、pH6.0以上の土には、石灰をまく必要はあまりありません。
さつまいもはカルシウム不足になると、葉の先が縮んで生育不良になります。
ただ、さつまいもがカルシウム欠乏を起こすことは少ないです。
土にカルシウムがあまりにも足りない状態(石灰をずっとまかずに野菜を育て続けたなど)でない限り、問題になることはほとんどありません。
さつまいもの石灰のまき方|量はどれくらい?
さつまいもに石灰を与える場合は、50~100g/㎡くらいの量がよいです。
与える量は土の酸度によって違いますが、土が極端に酸性の強い場合を除いて、それほど多く施す必要はありません。
苦土石灰、有機石灰は、さつまいも苗の植え付けの2週間前にまいてください。
まいたら、深くまでよくすき込んで、石灰が一か所に固まらないようにしましょう。
石灰が固まっていると、土を中和する効果が弱まります。
また、野菜が固まりに触れると傷みやすいです。
肥料やたい肥とは、一緒にまかないようにしましょう。
一緒にまくと、窒素分が逃げる可能性があります。
1週間くらいあけるのがよいです。
もし石灰をまきすぎてしまったら、水をやることで土の中の石灰を洗い流すことができます。
さつまいもに与える石灰の種類
さつまいもに与える石灰の種類について、紹介します。
石灰の種類には、苦土石灰、有機石灰、消石灰などがあります。
苦土石灰、有機石灰は家庭菜園でも扱いやすいです。
さつまいもに苦土石灰を与える効果、特徴
苦土石灰は効き目が穏やかで、家庭菜園でも使いやすいです。
粒状のものは扱いが簡単なので、おすすめになります。
効果が出るまで少し時間がかかるので、植え付けの2週間前までにはまいてください。
苦土石灰には、カルシウムとマグネシウムを土に与える効果があります。
さつまいもに有機石灰を与える効果、特徴
有機石灰には、「かき殻」、「貝化石」などの種類があります。
効き目が穏やかで、苦土石灰に比べて土を中和する効果は弱いです。
植え付けの2〜3週間前にはまくようにしましょう。
有機石灰は、微量要素を土に補給することができます。
また、土が固くなりづらいです。
さつまいもに消石灰を与える効果、特徴
消石灰はまくとすぐに効果が出ます。
また、土をアルカリにする力が強いです。
消石灰は取り扱いが難しいので、家庭菜園ではあまり使われません。
目に入ると失明する恐れがあります。
肌が荒れるので、素手では触らないでください。
消石灰は植え付けの2週間前にまいてください。
肥料、たい肥とは一緒にまかないようにしましょう。
さつまいもの石灰|まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
さつまいもの石灰について、紹介しました。
さつまいもの石灰のポイントは、以下のものです。
・さつまいもには石灰はそれほど必要ではない
・与える量は少しでよい
・苦土石灰、有機石灰が扱いやすい
さつまいもは土が酸性のほうが、よく育ちます。
石灰の与えすぎには、気をつけてください。
家庭菜園の有機栽培についてもっと知りたい、という方にはオンラインスクールもおすすめです。
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