大根の栽培方法や、保存、栄養について、紹介します。
大根を育てるには、土をよく耕すことが大事です。
土を耕すことによって、立派でまっすぐな大根ができます。
大根は、ご家庭の冷蔵庫や冷暗所、畑でも保存できます。
保存食にもなります。
保存期間は、長くて半年以上です。
大根には消化に良い栄養素を含みます。
他にも、美肌やダイエット効果があります。
農家の「てんぞ」が解説します。
大根を育てるには、土をよく耕すこと。
大根の品種は、青首大根が多いです。
市場に出回っている大根の多くは、青首大根です。
大根の品種には、全部で100種類より多くあります。
地方の品種も多いです。
色とりどりの品種や、大小さまざまな品種があるので、お好みの品種を選んで栽培してください。
大根の種まきの時期は、春と秋です。
特に、秋まきが育てやすいです。
秋は、病気や害虫被害が出にくく、草が生えないので管理しやすいです。
また、旬なので、甘くておいしい大根ができます。
栽培する品種は、時期に合ったものにしましょう。
大根の土作りでは、根が伸びるように、土を深くまで耕すのが大事です。
30cmほどの深さまで耕してください。
また、固い土がないように、土を柔らかく耕します。
土の中の石、ゴミは除けてください。
根が変形する原因になります。
大根を栽培するには、日光が当たる場所がよいです。
種をまく2週間前に、石灰を施します。
1週間前に、たい肥と肥料を施してください。
塊があると生育不良の原因になるので、細かくなるまですきこみましょう。
たい肥は、完熟した臭いのないものを使いましょう。
肥料は、窒素、リン酸、カリウムのバランスのよいものが適しています。
大根は酸性の土壌が生育によいので、石灰はひかえめにしましょう。
生育に適したphは、5.5~6.5です。
幅が50~60cm、高さが5~10cmの畝(うね)を立てます。
家庭菜園の排水性が悪いなら、高畝にしたほうがよいです。
連作障害が出る可能性があるので、前作から2年は同じ場所での栽培はひかえたほうがよいです。
大根の種は、畑に直にまきます。
株間30cm、深さ2cmのまき穴に、3粒ずつまきましょう。
種をまいたら、まき穴の深さより少し薄く、1~1.5cmくらい土をかけてください。
芽が出るまでは、土が乾燥しないようにしっかりと水やりします。
保湿のために、不織布のべたがけ、もみ殻やわらをかけるとよいです。
不織布には、虫除けの効果もあります。
発芽したら、水やりをひかえめにしましょう。
過湿だと、病気になりやすくなります。
本葉が5~6枚のときに、1本に間引きしましょう。
間引きのやり方は、引き抜くか、株元をハサミで切ります。
間引く株は、葉につやの少ない株、葉が茂りすぎている株、生育の悪い株にします。
間引きした後に、追肥をします。
生育がよい場合は、追肥をしなくても大丈夫です。
肥料は、即効性の化成肥料がよいです。
30~50g/㎡を畝の肩に施します。
株元から10~15cmの場所にまきましょう。
間引き後には、土寄せもしてください。
土寄せは、株が倒れないためです。
大根の葉が垂れてきたら、収穫します。
首元を両手で持って、真上に引き抜いてください。
収獲時期を逃すと、す入りする可能性があるので、気をつけてください。
過湿や、連作したときに病気になりやすいです、
感染する場合も多いので、葉や根に症状が出たら、すぐに処分してください。
大根のよくある病気は、白さび病、べと病、軟腐病などです。
大根につきやすい害虫は、アブラムシです。
アブラムシは、養分を吸ったり、病気の原因になったりします。
シルバーの線がついた防虫ネットが、アブラムシ除けになります。
他に大根につく虫は、ヨトウムシ、コナガなどです。
大根の栽培に失敗する原因は、様々です。
失敗すると、変形や肌荒れ、生育不良になります。
失敗の主な原因は、土に石やゴミが残っている、土がよく耕されていない、肥料やたい肥が塊になっている、たい肥が熟していない、肥料のやりすぎ、または足りない、などです。
大根は、冷蔵庫や冷暗所、畑で保存できる。保存食にもなる。
大根は冷凍、冷蔵、常温での保存が可能です。
保存方法次第で、1週間~1カ月保存できます。
冷凍の場合は、カットするか、大根おろしにして保存袋に入れて冷凍します。
1カ月くらい持ちます。
大根は冷蔵でもよいです。
葉を切り落とした大根を1本丸ごとか2~3等分にして、新聞紙に包んで保存します。
これで、1~2週間保存できます。
発泡スチロールで常温保存する方法もあります。
葉を切り落とした大根を新聞紙に包んで、発泡スチロールに入れます。
蓋を閉めて保存します。
ただ、通気性をよくするために、蓋を少し開けたり、蓋に穴を開けたりするとよいです。
冷暗所で保存します。
1カ月くらい保存できます。
冬は、2~3カ月持ちます。
冬なら、畑の土に埋めることで冬から春先まで長期保存できます。
畑で保存する方法には、葉の根元まで土寄せして保存する方法と、穴を掘って埋める方法があります。
穴に埋める場合は、穴を50cmくらい掘って、大根の葉を切って埋めてください。
土に埋める保存方法は冬だけで、春大根は保存できません。
大根の保存食のレシピには、煮物、漬物、切り干し大根などがあります。
切り干し大根は、6カ月ほど保存できます。
また、離乳食でも保存食ができます。
大根の葉は、塩茹で、干す、漬物、佃煮などにして保存できます。
大根は消化に良い栄養を含む。美肌、ダイエット効果がある。
大根には、ビタミンC、食物繊維があります。
大根の栄養素は、免疫力を上げる、肌がきれいになる、生活習慣病を防ぐ、などの効果があります。
酵素やアリルイソチオシアネートも豊富です。
アリルイソチオシアネートは辛味成分です。
大根の辛味のもとになっています。
胃液の分泌を助けたり、消化を促す効果があります。
アリルイソチオシアネートは、根の先端に多いです。
大根おろしにすると、増えます。
葉はビタミン、ミネラルが豊富です。
葉に特徴的な栄養素は、βカロテンです。
βカロテンは、視力の低下を予防します。
脂質と食べるとよく摂れるので、油で炒めたり、サラダにドレッシングをかけたりするとよいです。
大根はビタミンCが多いです。
特に、葉と皮に豊富です。
ビタミンCには、免疫力を上げる、美肌になる、などの効果があります。
ビタミンCは熱に弱いので、サラダなどにして生で食べるとよいです。
大根は、酵素が多いのが特徴です。
大根に含まれる酵素は、ジアスターゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、オキシダーゼなどです。
でんぷん、たんぱく質、脂質の分解、消化をします。
消化を助け、胃腸の働きを改善する効果があります。
ダイエットにもなります。
また、がんを防ぐ効果があります。
酵素は熱に弱いです。
生食だと多く摂れます。
大根おろし、サラダ、スムージーなどで食べるとよいです。
大根は低糖質で低カロリーです。
ダイエットによい野菜です。
切り干し大根にすると、糖質が高くなります。
大根でダイエットするときは、大根以外の具材や調味料、ドレッシングなどの糖質に注意してください。
大根には、食物繊維が含まれます。
特に食物繊維が多いのは、皮と葉の部分です。
食物繊維は、便通の改善、腸を整える効果があります。
食物繊維を多く摂るには皮まで食べるとよいです。
大根の皮の食べ方は、きんぴら、大根おろしなどがおすすめです。
大根の栽培|まとめ
栽培方法を知れば、家庭菜園でも立派なおいしい大根が育てられます。
保存や栄養についても理解することで、育てた大根がより役に立ちます。