家庭菜園でのさつまいもの収穫について、紹介します。
収穫時期や方法、収穫後の保存などをまとめています。
農家の「てんぞ」が解説します。
さつまいもの収穫時期
さつまいもの収穫時期は、9~11月頃です。
苗の植え付け後4~5カ月経った頃になります。
ただ、収穫時期は地域や品種で違うので、気をつけてください。
さつまいもの収穫時期の目安
収穫時期の目安は、「葉が黄色く枯れた頃」、「植え付け後4~5カ月経った」の二つです。
さつまいもは収穫時期になると、葉が黄色く枯れてきます。
植え付けから4~5カ月経っていて、葉が枯れてきたら、収穫できます。
収穫時期が分からない場合は、試し堀りしてみるとよいです。
収穫時期(植え付け後120~150日)の1カ月前に、少しだけ掘ってみます。
芋のサイズが20㎝くらいなら収穫できます。
さつまいもの収穫が早い、遅いとどうなる?
さつまいもの収穫が早いと、芋のサイズが小さく、細いです。
また、甘みが少なくなります。
収穫が遅いと、形がよくなく、食味が悪いです。
サイズが大きく、甘みが少なくなります。
さつまいもは霜が降りる前に収穫する
さつまいもは、霜が降りる前に収穫しましょう。
耐寒性が低いので、霜が降りた後だと腐りやすくなります。
雨が降った後は、さつまいもの収穫をしない
雨が降った後は、さつまいもの収穫を避けるとよいです。
さつまいもに水分が多くなり、腐りやすくなるからです。
収穫は、晴れが続いて土が乾燥しているときがよいです。

寒冷地でのさつまいもの収穫時期
寒冷地とは、北海道や東北などの寒い地域のことです。
北海道でのさつまいもの収穫時期は、9月下旬~10月上旬頃です。
東北では、9月下旬~11月上旬頃になります。
植え付け後120日ほどで収穫時期を迎えます。
収穫時期の目安は、葉が黄色く枯れてきた頃です。
ただ、寒冷地(北海道)では収穫時期になっても葉が枯れないことがあります。
葉が枯れない場合は、植え付け後120日経っていることが収穫の目安になります。
さつまいもは、霜が降りる前に収穫します。
寒さに弱く、腐りやすいためです。
寒冷地では、霜が降りる時期が早いです。
北海道では、10月頃に霜が降ります。
東北は、10月下旬~11月中旬頃です。
9月に試し掘りをしてみて、サイズが20㎝くらいなら収穫できます。

品種ごとのさつまいもの収穫時期
さつまいもの品種ごとの収穫時期を紹介します。
さつまいもは、品種によって収穫時期が異なります。

紅はるかの収穫時期
紅はるかの収穫時期は、10~11月上旬頃です。
暖地では10月頃、温暖地では11月頃の収穫になります。
紅あずまの収穫時期
紅あずまは、9~11月頃の収穫です。
紅あずまが主に栽培されているのは、茨城や千葉です。
紅芋の収穫時期
紅芋は、10~11月頃が収穫時期になります。
芋が紫色をしているのが特徴です。
収穫が早いと、色が薄いので気をつけてください。
シルクスイートの収穫時期
シルクスイートの収穫時期は、9月下旬~10月頃になります。
しっとり、なめらかな食感が特徴です。
鳴門金時の収穫時期
鳴門金時の収穫時期は早いです。
8月下旬~11月頃に収穫します。
9~10月頃の収穫が多いです。
安納芋の収穫時期
安納芋は、9月下旬~12月上旬頃が収穫時期です。
特に、9~10月頃が収穫の多い時期です。
さつまいもの収穫方法
さつまいもの収穫の準備
用意する道具
さつまいもを収穫するためには、道具を用意する必要があります。
収穫に必要な道具は、「鎌」、「スコップ」、「手袋」、「段ボール」などです。
鎌は、つるを切るのに使います。
スコップは、土を掘ってさつまいもを収穫するためです。
土で手が汚れるので、手袋をして作業するとよいです。
収穫したさつまいもを運ぶために、段ボールを用意しておくと便利です。
つる切り
さつまいもを収穫する前に、つるを切っておきます。
「つる切り」という作業です。
つるを切っておくことで、収穫が簡単になります。
株元を10㎝くらい残して、つるを切ります。
切ったつるは、畝(うね)の脇にどかしておきましょう。
つる切りは、収穫の1週間前から当日の間におこなうとよいです。
マルチ栽培をしている場合は、つる切りの後にマルチをはがしておきましょう。
さつまいもの収穫方法
さつまいもを傷つけないために、株元の付近ではなく、周りから土を掘っていきます。
また、最初から深く掘らずに、浅めに掘るようにしましょう。
いきなり深く掘ると、さつまいもを切ってしまう可能性があります。
周りから土を掘って、土を柔らかくします。
土が柔らかくなったら、つるを引っ張ってさつまいもを収穫してください。
収穫が終わっても、株元にはまだ取り残した芋があるかもしれません。
なので、株元の近くを手で探ってみるとよいです。
手を汚さないために、手袋をしましょう。

袋栽培のさつまいもの収穫方法
袋栽培の場合も、つるを切って収穫します。
ただ、もしつるを切るのが面倒だったら、切らなくても収穫はできます。
ベランダなどで栽培しているなら、床を土で汚さないように、掘った土を入れるバケツなどの容器を用意しておくとよいです。
収穫した後に残ったつるは、燃えるゴミに出すことができます。
また、つるは調理して食べてもおいしいです。
さつまいもの土は、家庭菜園でまた使うことができるので、取っておいても大丈夫です。
ゴミに出す場合は、袋のまま出せます。
ただ、土をゴミに出せない自治体もあります。
ゴミに出せないときは、買ったお店やホームセンターに持っていけば、引き取ってもらえます。

さつまいもの収穫に失敗する原因と対策
さつまいもの収穫の失敗|収穫時期が違う
収穫時期を間違えると、さつまいもの収穫に失敗します。
収穫が早いと、芋が小さく、細いです。
また、甘みが少なくなります。
収穫が遅いと、形がよくなく、食味が悪いです。
甘みも少ないです。
さつまいもの収穫の失敗|折れた、傷がついた
さつまいもを収穫するときに、折れたり傷をつけたりしてしまうことがあります。
折れたり傷ができたりすると、芋が腐りやすくなります。
なるべく傷をつけないように収穫できるとよいです。
さつまいもに傷をつけないためには、株元ではなく、周りから土を掘るようにしましょう。
また、最初は深く掘らずに、浅く掘るとよいです。
収穫の際には、どうしてもさつまいもに傷がついてしまいます。
傷が少しだけついたさつまいもなら、乾燥させれば保存できます。
傷が大きいさつまいもは腐りやすいので、早く食べるようにしましょう。
さつまいもの収穫の失敗|虫食いがある
収穫したさつまいもが虫に食べられていることがあります。
虫食いにあったさつまいもは、食べられます。
ただ、虫食いの跡に菌が入って腐りやすいので、早めに食べるとよいです。
虫食いの被害が大きく、さつまいもがほとんど黒く変色しているものは、あまり食べないほうがいいかもしれません。
さつまいもの虫食いは、コガネムシなどが原因です。
肥料が多かったり堆肥が未熟だったりすると、コガネムシが増えやすいので、気をつけてください。

さつまいもの収穫後の保存方法
さつまいもの収穫後の保存方法は、干して乾燥させる
さつまいもを乾燥して保存する方法を紹介します。
さつまいもは乾燥させることで長持ちします。
また、1週間~1カ月ほど貯蔵すると、甘みが出ておいしくなります。
さつまいもを収穫した後、畑で2~3時間干してください。
畑で干すことで、さつまいもを乾燥させることができます。
畑で干した後は、1週間ほど通気性のよい日陰に置いておきます。
下に新聞紙を敷いておくとよいです。
1週間ほど乾燥させたら、さつまいもを一つ一つ新聞紙に包んで、段ボールに入れます。
新聞紙に包むことで、温度や湿度を調整します。
また、通気性をよくするために、段ボールのふたを少し開けるか、ふたに何か所か穴をあけておくとよいです。
保存するときに、ビニール袋には入れないでください。
ビニール袋は通気性が悪いので、さつまいもがダメになりやすいです。
さつまいもを入れた段ボールは、通気性のよい冷暗所で保存します。
床下の収納スペースや日の当たらない廊下などがよいです。
さつまいもは寒さに弱いので、冷蔵庫では保存しないでください。
さつまいもは、常温で保存できます。
気温10〜15℃、湿度80%くらいが保存に適しています。
保存状態がよければ、3カ月以上も持ちます。
収穫したさつまいもは寝かせると甘くなる
さつまいもは寝かせることで、甘くなります。
でんぷんが糖に変わるからです。
2〜3カ月貯蔵したさつまいもは、とても甘いです。
収穫したさつまいもの食べごろ
さつまいもの食べごろは、収穫した後1~2カ月です。
甘くておいしいです。
傷があったり、霜が降りた後に収穫したりしたさつまいもは腐りやすいので、早く食べるようにしましょう。
収穫したさつまいもが甘くない
さつまいもは収穫後すぐ食べると、甘くないです。
貯蔵することで、甘みが出ます。
さつまいもに水分が多いと、甘みが少ないです。
なので、乾燥しているときに収穫するようにしましょう。
品種によっては、甘くないものがあります。

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